茶葉から淹れるお茶
飲料メーカーがたくさんの種類のお茶飲料を販売して、いつでもどこでもお茶が飲めるようになり、茶葉を急須で淹れて飲む習慣が少なくなったと言われます。
確かに簡単に気軽に飲めることはいいことですが、お茶本来の香りや風味を嗜み、好みの温度や甘み・旨味・渋みを含味するには、好みの茶葉で湯温や蒸らし時間を変えて淹れることで、自分好みの1煎を楽しむことができます。
茶葉の性質がわかっていれば、お茶を淹れることは難しいことではありません。
美味しい川根茶の淹れ方
インストラクターがいるほど、淹れ方で風味が変わる日本茶ですが、2~3分ほど沸騰させてカルキ臭をなくした60℃から70℃前後のお湯でゆっくり茶葉を蒸らすと美味しいお茶を淹れられるといいます。川根茶なら、茶葉がお湯につかるくらいの大きさの急須で、低温でゆっくり蒸らして淹れれば、甘み、コク、ほど良い渋みの美味しいお茶になります。高温で長時間蒸らすと渋み・苦みが増し、低温で短時間だとコクが出ないとわかれば、自分好みの温度や時間で、味や香りを自由に楽しめるのも川根茶の魅力です。
- 煎茶
- 渋みを抑えて旨味を引き出す
- 70℃~80℃
- 玄米茶・ほうじ茶・紅茶
- 香りを引き出す
- 90℃~100℃
- 玉露
- じっくり旨味を引き出す
- 50℃
- 淹れ方 1
- 急須と茶碗に沸騰したお湯を注ぎ温める
- 淹れ方 2
- 急須のお湯を捨て人数分の茶葉を急須にいれる
(1人分湯量80cc茶葉2~5g)
- 淹れ方 3
- 茶碗に注いだお湯を急須に注ぎ蓋をして1分くらい蒸らす。低温の場合は2分くらい
- 淹れ方 4
- 均等の濃さになるように少しずつ回し淹れ最後の1滴まで注ぐ
- 淹れ方 5
- 2煎、3煎は、好みの温度で味香りを楽しむ
緑茶に含まれる効能
お茶が健康長寿の薬として広まったことから、茶葉に含まれる成分が研究されてきました。
代表的なのは、チャノキだけに含まれる「茶カテキン」というポリフェノールの1種で、緑茶には4種類のカテキンが含まれ、抗酸化作用・殺菌作用・抗がん作用など様々な効能があることがわかっています。カテキンは渋み・苦みのもとになります。高温で蒸らすとたくさん抽出されます。
苦味のもとになるカフェインは、疲労回復や利尿作用を助けてくれます。
テアニンもお茶特有のアミノ酸で、旨味成分のもとです。テアニンは、茶樹の根本で作られ葉のほうに移っていき若い芽に多く含まれます。光が当たると分解してカテキンに変化します。日照時間が短い川根茶葉は、この旨味成分を豊富に含んでいるといえます。テアニンには、カフェイン興奮抑制作用があるため、お茶に含まれるカフェインを適度に抑える作用をしてくれます。
他にもたくさんの体の働きを助けてくれる成分が含まれています。
緑茶が健康長寿の飲料として親しまれているのがわかります。
緑茶に含まれる主な成分
旨味成分 テアニンーチャノキに含まれるアミノ酸
- リラックス効果
- 抗ストレス
- 熟睡感
- 疲労回復効果
渋味成分 カテキンーフラボノイドの1種(テアニンに日光が当たるとカテキンに変化する)
生理活性があることが報告されている
- 血圧上昇抑制作用
- 血中コレステロール調節作用
- 血糖値調節作用
- 抗酸化作用
- 老化抑制作用
- 抗突然変異
- 抗ガン
- 抗菌
- 抗う触(抗虫歯)
- 抗アレルギー作用
苦味成分 カフェイン(タンニンと結びつき、弱く緩やかに作用する)
- 覚醒作用
- 解熱鎮痛作用
- 強心作用
- 利尿作用